著者の小池陽人さんは地元須磨寺さんの寺務長で副住職の若き和尚さんです。チャンネル登録者10万人を超えるYouTubeでは日々の暮らしの中にある事象で法話を語り続けておられます。デジタルの布教も取り入れている素敵な方です。
著書2冊目の本書はそのYouTube「須磨寺 小池陽人の随想録」の動画から厳選された回を編集したものです。その中に登場する地元人はわれわれも知る人でもあり、親近感の持てる1冊です。本書から私は二つの学びを受けました。
一つは「信仰心とは、今の自分とは別の視座を持つこと」です。自己中ではなく、仏様が見る、視る視点を常に意識すれば、自分の周りに居られるあらゆるものに穏やかに接することができます。
もう一つは般若心経の「空」の教えです。「自分がとらわれている、あるいはこだわっている『自分らしさ』という殻から抜け出し、変化を怖れずに、一瞬一瞬を生ききる」姿勢を持て!という教えです。誰しも執着はあり、例えば、読書にしても偏りがあり、手の付けないジャンルの1冊を他者から教えられ読んでみると、今までとは違った視点を持つことがあります。脱皮の大切さは身に染みて感じます。
この二つは同じことかもしれませんが、一つの事象に対する感じ方や対処の仕方と真逆の接し方も想起することを指示してくれています。
『ようこそお寺へ 心にひびく仏教のはなし』(小池陽人著、柏書房、本体価格1,800円、税込価格1,980円)
