
教師歴32年の小学校教師・平光雄さんによる本書は子どもだけに読ませるにはもったいない内容です。子どもの時にこんな道徳教育があれば、素敵な日本人が間違いなく続々と輩出されるでしょう。どんなに難しい徳目であろうと、イラストと図式を含めて、とても理解しやすい。
当店で月に一度行われている「大人の人間学塾」の10月の課題図書にしましたが、うちの二人のスタッフに必要な部分を読んでもらいました。一人は「主体性」。これは「先回りできる人になる」という定義で、言われたことをする指示待ちではなく、一を知って十をする存在を明確に示しています。もう一人は「配慮」でした。これは「やられて嫌なことを他人にしない」、つまり、論語で言う「恕」です。特に、言葉の配慮、言語環境の整備を訴えています。何でも思いついたことを言うのではなく、相手に配慮し、一呼吸を置いてから話す、書くなどのアウトプットを行うことです。「言葉は心を切る」という比喩はとても響きます。
私は「個性」の章句に教えられました。これは『「変なところ」も認めてあげる』です。一般から見ての「普通」では人間が埋没するし、いわゆる偉人は変わっていて、こだわっていたから結果を出せました。個々の「変さ値」を向上させれば、その集団もオリジナルな一群になります。「馬鹿になれ!」って伝えても、同調圧力を受け続けてきたので、普通路線から逸脱をしない、したがらないでしょうが…。
皆さんも、自分に必要だと思われる点を読み進められることをお勧めします。
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』(平光雄著、致知出版社、本体価格1,500円)